猟友会とは?入る必要はある?エアライフル猟で考える会費と加入のメリット
入会方法・年間費用・支部との相性、個人登録への切り替えまで
狩猟を始める準備をしていると、「猟友会に入りませんか」と案内されることがあります。名前は知っていても、何をする団体なのか、入らなければ狩猟できないのか、よく分からない方もいるでしょう。猟友会への加入は義務ではありません。ただ、保険や狩猟者登録の手続きをまとめて進められ、地域のハンターと知り合える利点があります。一方、活動内容やエアライフルへの理解は、加入する支部によって異なります。
猟友会は、地域の狩猟者をつなぐ団体
猟友会は、狩猟者を会員とする団体です。組織は、大きく次のように分かれています。
| 組織 | 範囲 |
|---|---|
| 大日本猟友会 | 全国 |
| 都道府県猟友会 | 東京都猟友会、千葉県猟友会など |
| 支部・地区の猟友会 | おおむね市町村などを単位とする地域の組織 |
地域の支部・地区の猟友会に加入すると、都道府県猟友会、さらに大日本猟友会の構成員になります。実際に入会の相談をしたり、普段の活動で関わったりするのは、地域の支部・地区です。
猟友会全体では、安全狩猟の普及、事故に備える共済、初心者の育成、野生鳥獣の保護・管理に関する活動などを行っています。
地域では、講習会や射撃会、狩猟者登録の取りまとめ、有害鳥獣捕獲などに関わっています。ただし、活動の頻度や内容、初心者へのサポートは支部によって異なります。
入会のきっかけは、狩猟免許の事前講習など
猟友会と接点を持つきっかけの一つが、狩猟免許試験に向けた事前講習会です。
例えば、宮城県猟友会では、事前講習会の当日に入会案内を行うとしています。免許取得の準備中に、猟友会の担当者から話を聞く機会があるわけです。
また、地域によっては、入会予定者として事前に相談することで、講習会の受講料が一般の受講者と異なる場合があります。船橋猟友会では、入会を前提に免許を取得する方へ、講習会の申し込みに必要な証明書を発行しています。
入会したい場合は、誰かに誘われるのを待つ必要はありません。
- 住んでいる地域の猟友会に問い合わせる。
- 連絡先が分からなければ、都道府県猟友会に紹介してもらう。
- 加入条件、会費、活動内容、必要書類を確認する。
- 案内された手順で申し込む。
正式な加入条件や、免許取得前にどこまで手続きできるかは、加入先に確認しましょう。
保険と狩猟者登録をまとめて準備できる
初めての方にとって分かりやすい利点は、保険関係の準備や狩猟者登録をまとめて進められることです。
狩猟者登録では、原則として3,000万円以上の損害賠償能力を証明する必要があります。猟友会員が加入する大日本猟友会の狩猟事故共済は、その証明に利用できます。
猟友会では、狩猟者登録の申請を取りまとめるほか、別途加入するハンター保険の案内を受けられる場合もあります。
初年度は、書類の種類や提出時期も分かりにくいものです。相談先があり、必要な手続きを案内してもらえることには価値があります。
ただし、会費に含まれる共済と、追加で加入するハンター保険は分けて確認しましょう。補償額や対象となる事故、自分のけがへの補償などは、契約内容によって異なります。
また、登録を取りまとめる都道府県や受付締切も、加入先に確認しておくと安心です。
狩猟のベテランが、エアライフルにも詳しいとは限らない
エアライフル猟を始める方が意識しておきたいのは、狩猟経験の長さと、現在のエアライフルへの理解は必ずしも一致しないことです。
散弾銃やライフル銃、わな猟に詳しい方でも、PCPエアライフルを使った経験がなければ、その扱いや特徴に詳しいとは限りません。昔の空気銃の印象のまま捉えていたり、使い方について認識が食い違ったりすることもあります。
これは年齢だけの問題ではなく、普段使っている道具や、行っている猟の違いによるものです。
例えば、シカやイノシシの猟が中心の支部では、カモやキジを狙うエアライフル猟について、具体的な相談がしにくいかもしれません。一方、同じエアライフルを使う会員がいれば、情報交換や交流のきっかけになります。
入会前には、次のようなことを聞いてみるとよいでしょう。
- エアライフルで狩猟している会員はいるか。
- 主にどのような猟をしている人が多いか。
- 初心者が参加できる活動や交流の機会はあるか。
「猟友会に入れば、エアライフル猟について何でも教えてもらえる」と期待しすぎず、自分のやりたい猟との接点を確かめることが大切です。
猟友会には毎年いくらかかる?会費と狩猟者登録の費用
猟友会を通じて狩猟者登録をする場合は、会費だけでなく、狩猟税、行政の登録手数料、猟友会の取りまとめ手数料、追加で加入する保険料などを合わせて考えます。
散弾銃やライフル銃などの装薬銃を使う場合は第一種銃猟、エアライフルだけで狩猟する場合は第二種銃猟の登録になります。
第一種銃猟免許を持っている方でも、その年度に空気銃だけを使用する場合は、第二種で登録することができます。
東京都の公表額を基にすると、費用の内訳は次のようになります。
| 費用 | 第一種銃猟 | 第二種銃猟 |
|---|---|---|
| 狩猟税〈通常の税額〉 | 16,500円 | 5,500円 |
| 行政に払う狩猟者登録手数料 | 1,800円 | 1,800円 |
| 大日本猟友会の年会費〈共済掛金込み〉 | 4,800円 | 3,300円 |
| 東京都猟友会の年会費 | 5,000円 | 2,500円 |
| 地区の猟友会の年会費 | 約4,000〜10,000円 | 約4,000〜10,000円 |
| ここまでの小計 | 約32,100〜38,100円 | 約17,100〜23,100円 |
| 猟友会の申請取りまとめ手数料 | 加入先・申請内容による | 加入先・申請内容による |
| 追加で加入するハンター保険 | 契約内容による | 契約内容による |
| 政治協力金・その他の費用 | 加入先の案内を確認 | 加入先の案内を確認 |
※東京都の公表額を使った一例です。狩猟税の軽減・非課税措置、地域ごとの会費、追加費用によって支払額は変わります。
表の小計が、そのまま最終的な支払額になるわけではありません。取りまとめ手数料や追加の保険料などを含めた総額を、加入先に確認しましょう。
行政の登録手数料1,800円は、個人で申請しても必要です。一方、猟友会の取りまとめ手数料は、申請を依頼する際の費用です。両方とも「手数料」と呼ばれるため、内訳を分けて確認すると分かりやすくなります。
複数の都道府県で狩猟する場合は、それぞれの都道府県で登録し、税金と登録手数料を納めます。
政治協力金についても、通常の会費とは別に確認しましょう。東京都猟友会四谷地区の2025年度の案内では、政治連盟協力金200円は任意とされています。
入会前には、「登録をお願いする都道府県の数も含めて、全部でいくらかかるか」「任意の支払いはどれか」を聞いておくと、実際の年間負担を把握できます。
他地域の支部に加入できる場合もある
最初の相談先は、住んでいる地域の猟友会でよいでしょう。ただし、地域によっては、居住地以外の支部に加入できる場合もあります。
例えば、東京都猟友会は最寄りの地区への入会を原則としながらも、制限はないと案内しています。また、茨城県の支部紹介でも、他市町村の住民を受け入れる支部と、受け入れない支部が確認できます。
知人が所属している、エアライフルの会員がいるなどの理由で気になる支部があれば、相談してみる余地はあります。
ただし、離れた支部では活動に参加しにくかったり、狩猟者登録の取りまとめ範囲が自分の希望と合わなかったりすることも考えられます。加入できるかだけでなく、実際にどう付き合っていけるかも確認しましょう。
所持許可の審査と、猟友会への加入は分けて考える
銃の所持許可の審査では、本人を知る人への調査が行われます。長野県警察の案内でも、親族や近隣者、同僚、友人などとともに、猟友会や射撃団体が調査先として挙げられています。
また、2023年の長野県中野市の事件を受け、国家公安委員会では、猟友会や射撃団体などへの所属と継続的な活動を義務づけることも検討してはどうか、という意見が出ました。ただし、これは会議で示された提案です。
こうした背景はありますが、猟友会に加入すれば、所持許可や更新が必ず有利になると考えることはできません。
普段の活動を知る人がいることと、特定の団体へ会費を払って所属することは、分けて考えたいところです。
任意加入の団体への所属が、事実上の条件になるような扱いには、慎重であるべきだと私は考えます。
初年度は加入して、実際の相性を確かめる
ここまで確認しても、その猟友会が自分に合うかどうかは、入ってみないと分からない部分があります。
問い合わせで分かるのは、会費や活動内容などが中心です。実際にどのような人がいて、どの程度交流できるかまでは、なかなか見えてきません。
そのため私は、初めて狩猟をする方には、まず初年度は加入し、話を聞いたり活動に参加したりしてみることをおすすめします。
保険や登録の準備を教えてもらい、地域のハンターと顔を合わせる。その中で、自分にとってどのような意味があるかを判断すればよいと思います。
エアライフルの仲間が見つかれば、続ける理由になります。交流が少なくても、毎年の手続きを任せられる便利さに価値を感じる方もいるでしょう。
一方、活動に参加できず、相談できる相手もいないのであれば、翌年度から個人登録へ切り替える選択もあります。
最初に加入したからといって、ずっと所属し続けなければならないわけではありません。
個人登録へ切り替えるなら、翌年の春から準備する
翌年度は猟友会を通さずに登録しようと考えたら、秋の案内を待たず、春のうちから準備を始めると進めやすくなります。
特に確認しておきたいのは、猟友会の共済に代わる保険の加入先と、募集時期です。
| 時期 | 準備すること |
|---|---|
| 春ごろ | 保険の加入先、募集期間、補償内容を調べる |
| 保険の募集期間中 | 申し込み、補償開始日と登録用証明書の発行時期を確認する |
| 猟友会の更新・登録案内が届く前後 | 翌年度は個人で登録することを伝え、退会手続きを確認する |
| 狩猟者登録の受付開始後 | 必要書類をそろえ、狩猟する都道府県へ申請する |
会費を払わずに放置するのではなく、継続しない意思を伝え、加入先の手続きに沿って退会しましょう。保険や共済の終了時期も確認しておく必要があります。
個人で行う狩猟者登録の流れは、別の記事でまとめています。
猟友会には、手続きの支援や地域のつながりという利点があります。その一方で、毎年の費用と、自分の猟に合う交流が得られるかは考える必要があります。
まず初年度に実際の雰囲気を知り、その経験をもとに、翌年度からの関わり方を選んでいく。それが、初めての方にも判断しやすい方法だと思います。