PCPエアライフルのボトル式とチューブ式は何が違う?
タンクの構造・重さ・容量・充填圧力を知る
PCPエアライフルのタンクには、細長いチューブ式と、太いボトル式があります。見た目だけならチューブ式の方が軽そうですが、太いカーボン巻きボトルの方が軽いこともあります。構造・容量・重量・重心の違いと、必ず守りたいメーカー指定の充填圧力を整理します。
細長いチューブ式と、容量を確保しやすいボトル式
PCPエアライフルには、高圧の空気をためておくタンクが備わっています。大きく分けると、細長い筒状の「チューブ式」と、太いボトル状の「ボトル式」があります。
チューブ式は、銃身に沿って配置されるものが多く、銃全体を細身にまとめやすい特徴があります。
一方、ボトル式は胴が太く、その分、長さを抑えながら空気容量を確保しやすい形式です。現在よく見かけるのは、表面をカーボン繊維で覆ったボトルです。
この違いは、外観だけでなく、重量や持ちやすさ、ケースやガンロッカーへの収まり方にも関わります。
どちらが優れているかを形だけで決めるのではなく、銃全体の使い勝手と合わせて見ることが大切です。
カーボンタンクの内側には、アルミの容器がある
一般に「カーボンタンク」と呼ばれるエアライフル用ボトルの代表的な構造は、アルミ製の容器にカーボン繊維を巻いて補強したものです。
内側の容器は「ライナー」と呼ばれます。その外側をカーボン繊維と樹脂で覆い、組み合わせることで必要な強度を確保しています。
カーボンは、見た目を飾るためのものではありません。内部の高い圧力を支える構造の一部です。
この補強によって、内側のアルミ容器の肉厚を抑えられ、金属だけの容器よりも容量に対して軽く作りやすくなります。太いボトルが付いていても、持ってみると意外と軽い。その理由の一つが、この構造です。
なお、旧来の製品にはカーボンを巻かないアルミ製ボトルもあります。容量や仕様の近いカーボン巻きボトルに比べ、重く、最大充填圧力も低めに設定されたものがあります。中古銃では、この違いにも注意したいところです。
ボトル式は容量を確保しやすい。ただし国内では500ccの条件に注意
エアライフル用のカーボン巻きボトルには、外径60mm前後のものがよく見られます。
細いチューブに比べて直径が大きく、カーボン繊維による補強で内側のアルミ容器の肉厚も抑えやすいため、空気をためる空間を大きく確保できます。
長さを抑えながら容量を増やしやすいことが、ボトル式の特徴です。ただし、日本で使用する場合は容量にも注意が必要です。
空気銃内の高圧ガスについては、高圧ガス保安法の適用除外条件として「内容積500mL以下」が定められています。500mLと500ccは同じ容量です。
海外向けの製品には、これを超える大容量ボトルを備えたものもあります。しかし、500ccを超えるものは同じ適用除外には当てはまりません。海外の仕様を、そのまま日本でも使えると考えないようにしましょう。
最大充填圧力と合わせて、タンクの内容積も確認することが大切です。適用除外の詳しい条件は、次の記事で解説しています。
チューブ式は、細くても軽いとは限らない
一般的な金属製チューブは、筒そのものの強度で内部の高い圧力を支えます。
単なる薄いパイプではなく、材質や太さ、使用圧力に応じた肉厚が必要です。さらに、容量を確保するために長くすると、その分だけ金属の量も増えます。
このため、すっきりした外観でも、タンク自体には意外と重量があります。条件によっては、容量の大きいカーボン巻きボトルより、小さく見えるチューブタンクの方が重いこともあります。
もちろん、短く小容量のチューブまで一律に重いわけではありません。見た目の太さではなく、材質・容量・実際の重量を比較することが大切です。
古いモデルでは、鋼製チューブが使われていることもある
古いPCPエアライフルには、鉄系の材料である鋼やステンレス鋼を使ったチューブタンクもあります。現在も採用例はありますが、中古銃を見るときには特に確認しておきたい部分です。
鋼は強度を確保しやすい一方、材料自体はアルミより重いため、タンクの重量が大きくなりやすい傾向があります。
外観は同じような細長い筒でも、アルミ製なのか、鋼製なのかによって持った印象は変わります。
「細いタンクだから軽量な銃だろう」と判断せず、銃全体の重量も確認しましょう。
充填できる圧力は、世代やモデルによって違う
タンクの形が似ていても、充填できる圧力は同じではありません。
古い世代のチューブ式には最大200barのものがあり、モデルによっては250barまでのものもあります。一方、近年のチェコ製エアライフルなどには、アルミ合金製のチューブタンクでも300barに対応するものがあります。
「チューブ式だから200bar」「カーボンボトルだから300bar」と、形や材質だけで判断することはできません。
必ず、その銃の取扱説明書などに記載された最大充填圧力を守ってください。タンク単体の表示だけでなく、銃としての指定を確認することが重要です。
指定を超える充填は、気密を保つOリングの押し出しや破損、急激な空気の噴出などにつながるおそれがあります。部品や容器の破損・破裂といった重大な事故の危険もあります。
また、容器に記載される「試験圧力」は、普段充填してよい圧力ではありません。空気を多くためたいからといって、「少し多めに入れておこう」という判断はしないでください。
重さだけでなく、重心の位置で持ち味が変わる
同じモデルにボトル式とチューブ式がある場合、タンクの違いによって、構えたときの感覚も変わります。
長い金属製チューブは前方まで重量が分布するため、重心が前に寄りやすくなります。その重さが、構えたときの落ち着きや安定感につながることがあります。
特に、機関部が後方にあるブルパップでは、前方のタンクの重さが銃全体のバランスに合い、重量の数字から想像する以上に構えやすく感じる場合があります。
一方、カーボン巻きボトルは軽量で、長いチューブより手元に近い位置に収まる構成も多く、取り回しが軽く感じられることがあります。
ただし、前寄りの重さは、長く構え続けると腕の負担にもなります。軽さと安定感のどちらを重視するかは、使い方や射撃姿勢によって変わります。
総重量だけで判断せず、スコープを載せた状態で、構えやすさと動かしやすさの両方を確認しましょう。
結論:形だけでなく、構造・容量・重量・指定圧力を確認する
太いボトル式が重く、細いチューブ式が軽いとは限りません。
現在よく使われるカーボン巻きボトルは、アルミ製の内側容器をカーボン繊維で補強し、強度と軽さを両立しています。一方、金属製チューブは必要な肉厚や長さが重量に関わり、鋼製ではさらに重くなる場合があります。
容量を確保しやすいボトル式でも、国内では高圧ガス保安法の適用除外条件となる500cc以下という内容積に注意が必要です。
充填できる圧力も、世代やモデルによって異なります。同じチューブ式でも、200barのものもあれば、300barに対応するものもあります。
また、タンクの重さと位置は、構えたときの安定感や取り回しにも関わります。軽さだけでなく、自分が使う姿勢でのバランスも確認しましょう。
選ぶときは構造・容量・重量を確認し、使うときはメーカー指定の充填圧力を守る。見た目だけでは分からない違いを知って、自分に合う一丁を選びましょう。