気温でPCPエアライフルのタンク圧力はどれくらい変わる?
圧力低下はエア漏れ?温度変化と圧力計の誤差を知る
PCPエアライフルやプレチャージ式空気銃のタンク圧力が、気温でどれくらい変わるかを解説します。10℃の温度差でどれくらいbarが動くか、小型ブルドン管式圧力計の誤差、見る角度による読み違い、エア漏れの確認方法まで整理します。
PCPエアライフルの圧力は気温で変わる
PCPエアライフルを使っていると、「昨日は250barあったのに、今日は240barしかない」ということがあります。
これを見るとエア漏れを疑いたくなりますが、PCPのタンク圧力は気温によって普通に変化します。
気温が下がれば圧力も下がり、気温が上がれば圧力も上がります。
しかもPCPは250〜300bar前後、モデルによってはそれ以上という高い圧力を使うため、温度差による変化も数bar〜10bar単位で見えてきます。
さらに、銃についている小型のアナログ圧力計そのものにも誤差があります。
そのため、「圧力計の針が少し下がった=エア漏れ」とは簡単には判断できません。
気温が10℃変わると、どれくらい圧力が変わる?
大まかな目安として、室温付近では10℃の温度変化で圧力が約3〜4%変化します。
たとえば20℃で250barだった場合、単純計算では次のくらいが目安です。
| 気温 | 圧力の目安 |
|---|---|
| 0℃ | 約233bar |
| 10℃ | 約241bar |
| 20℃ | 250bar |
| 30℃ | 約259bar |
| 40℃ | 約267bar |
300barなら、10℃の温度変化でおよそ10bar前後動くイメージです。
つまり、「10bar下がった=10bar分空気が漏れた」とは限りません。
前回測ったときと今回測ったときで気温が違えば、それだけで圧力計の表示は変わります。
なぜ気温で圧力が変わる?
密閉されたタンクの中では、空気の温度が上がると分子の動きが活発になり、容器の内側を押す力が大きくなります。
逆に、空気が冷えると圧力は下がります。
単純化すると、圧力は絶対温度に比例すると考えることができます。
ここで使う温度は℃ではなくK(ケルビン)です。
たとえば20℃は約293K、30℃は約303Kです。
10℃上がったから圧力が大きく跳ね上がるわけではありませんが、250〜300barという高い圧力では、その数%の変化が数bar〜10bar程度の差として見えてきます。
圧力が高いほど、barで見た変化も大きくなる
温度による変化は割合で起こるため、もともとの圧力が高いほど、barで見た変化も大きくなります。
20℃から30℃へ上がった場合の目安は次の通りです。
- 200bar → 約207bar
- 250bar → 約259bar
- 300bar → 約310bar
- 370bar → 約383bar
高圧モデルほど、「気温だけでこんなに圧力計が動くの?」と感じやすくなります。
ただし、これはあくまで目安
ここまでの数字は、気体を単純化して計算した目安です。
実際のPCPでは、圧力計そのものの誤差、圧力計の温度特性、タンクのわずかな膨張、銃全体がまだ周囲の温度になじんでいないこと、充填直後で内部の空気が温まっていることなども影響します。
そのため、計算上の数字と実際の圧力計表示が完全に一致するとは限りません。
大切なのは、「気温が変われば、PCPのタンク圧力も普通に変わる」と理解しておくことです。
冬の朝に圧力が下がっていても、すぐエア漏れとは限らない
たとえば、前日の暖かい室内で250barあった銃を、翌朝の冷えた環境で確認すると、240bar台まで下がっていることがあります。
これは十分あり得る変化です。
逆に、寒い屋外で銃が冷えたあと、暖房の効いた室内へ持ち込めば、時間とともにタンク圧力は上がります。
そのため、エア漏れを確認したい場合は、できるだけ同じ温度条件で圧力を比較することが基本です。
圧力計そのものにも誤差がある
PCPエアライフルについている小型の機械式圧力計の多くは、ブルドン管式です。
内部にある金属製のブルドン管が圧力によってわずかに変形し、その動きをギアなどを介して針へ伝えています。
電源が不要でシンプルな構造ですが、一般にメーターが小さくなるほど内部のブルドン管や機構も小さくなるため、細かな圧力を高精度に読むのは難しくなります。
エアライフルについている20〜30mm程度の小さなアナログメーターは、精密測定器というより、現在のおおよその圧力を確認するための計器と考えた方がいいでしょう。
アナログメーターは見る角度でも読み違う
もうひとつ注意したいのが、見る角度による読み違いです。
アナログメーターは、文字盤と針にわずかな距離があるため、真正面から見る場合と斜めから見る場合では、針の位置が違って見えます。
小さな圧力計ほど目盛りの間隔も狭いため、同じ圧力なのに数bar違って見えることもあります。
そのため、「昨日250barだったのに今日は245barだから5bar漏れた」というような判断は簡単にはできません。
実際には、気温の変化、圧力計そのものの誤差、メーターの小ささ、見る角度による読み違い、銃が周囲の温度になじんでいるかなどが重なって表示が変化します。
エア漏れを確認したいなら、針の位置を記録する
「少しずつ空気が漏れている気がする」という場合は、毎回数字を覚えておくよりも、針の位置そのものを記録しておく方が分かりやすいです。
簡単なのは、圧力計の外周やカバー部分にマスキングテープを貼り、その時点の針の位置に印を付けておく方法です。
その状態で数日〜数週間置き、できるだけ同じ室温、同じ場所、同じ見る角度で確認します。
こうしておけば、「本当に針が動いたのか」「単なる読み違いなのか」を判断しやすくなります。
エア漏れのチェックは、1回の数字ではなく、同じ条件で時間を置いて変化を見るのが基本です。
最大充填圧力付近では温度上昇にも注意
特に注意したいのが、低い気温の場所で最大充填圧力近くまで充填し、そのあと高温になる場所へ移動するケースです。
温度が上がればタンク圧力も上がります。
たとえば、冬の屋外から暖房の効いた室内へ移動する、夏の車内へ置く、直射日光の当たる場所へ置く、といった場合は、大きな温度差が生じることがあります。
最大充填圧力付近では、その後の温度上昇まで考えておく必要があります。
特に、高温になる車内や直射日光の当たる場所へ放置するのは避けます。
充填直後に圧力が少し下がるのは別の現象もある
コンプレッサーや大型タンクから充填した直後に、「250barまで入れたのに、少し待ったら240bar台になった」ということもあります。
充填中は空気が圧縮されることで温度が上がり、タンクやシリンダーも温まります。
その状態では一時的に圧力が高く表示され、その後、周囲の温度まで冷えると圧力が下がります。
充填直後の圧力低下も、充填によって温まった空気が周囲の温度まで冷えることで起こるため、必ずしもエア漏れではありません。
エア漏れを疑うときは、同じ条件で比べる
エア漏れかどうかを確認するときは、できるだけ同じ温度条件まで銃をなじませ、同じ角度から圧力計を見ることが基本です。
さらにマスキングテープなどで針の位置を記録しておけば、変化をより確認しやすくなります。
それでも数日〜数週間で継続的に圧力が下がっていくのであれば、Oリング、バルブ、レギュレーター、耐圧チューブや接続部、圧力計周辺などからのエア漏れを疑います。
圧力計について詳しく知りたい方へ
PCPエアライフルに使われているブルドン管式圧力計の仕組みや、デジタル圧力計との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
気温とPCPのタンク圧力で覚えておきたいこと
基本は次の通りです。
- 気温が上がるとタンク圧力も上がる
- 気温が下がるとタンク圧力も下がる
- 室温付近では10℃で約3〜4%変化するのが大まかな目安
- 高圧になるほどbarで見た変化も大きくなる
- 小型のブルドン管式圧力計は高精度な測定器ではない
- アナログメーターは見る角度でも読み違いが起きる
- 圧力が少し下がっただけでエア漏れと判断しない
- エア漏れ確認では同じ温度・同じ角度で比較する
- マスキングテープなどで針の位置を記録すると分かりやすい
- 最大充填圧力付近では、その後の温度上昇にも注意する
- 高温になる車内や直射日光は避ける
PCPエアライフルでは、「圧力計の数字は絶対値ではなく、気温やメーターの誤差によってある程度動くもの」と理解しておくと、エア漏れを疑うべき状態なのか、それとも正常な変化なのかを判断しやすくなります。