PCPエアライフルの圧力計が違う?銃側と充填側で表示がズレる理由
小型メーターと充填側メーターの精度差を知る
PCPエアライフルで銃側と充填側の圧力計表示が違う理由を解説します。小型ブルドン管式メーターの読み取り精度、安価な小型ヨークアダプター、MDEなどの50mm級メーター、最大充填圧力付近での注意点まで整理します。
銃側と充填側で圧力計の表示が違うことがある
PCPエアライフルへ空気を充填していると、「充填側は250barなのに、銃側は240barくらいしかない」ということがあります。
どちらかの圧力計が壊れているのでは、と心配になるかもしれません。
しかし、PCPで使われている圧力計は、すべてが同じ精度で作られているわけではありません。
特に、銃本体についている20〜30mm程度の小型メーターと、充填アダプターについている50mm前後の大型メーターでは、数字に差が出ることがあります。
圧力計は大きさも精度に関係する
PCPで使われている機械式圧力計の多くは、ブルドン管式です。
内部にある金属製のブルドン管が圧力によって変形し、そのわずかな動きを機械的に拡大して針へ伝えています。
理論上、圧力計は小型になるほど、内部のブルドン管やリンク機構も小さくなり、文字盤の目盛りも狭くなるため、細かな圧力を正確に測定・読み取りするには不利になります。
もちろん、「小さい圧力計はすべて精度が悪い」という意味ではありません。
圧力計には設計、部品、調整、検査、精度等級などによる違いがあり、小型でも高品質な製品はあります。
ただ、同じような方式・価格帯で比べれば、大型のメーターの方が高精度化しやすく、読み取りもしやすいという傾向があります。
銃についている小型メーターは「おおよその圧力を見るもの」
エアライフル本体では、サイズや重量の制約があります。
そのため、23mm、25mm、28mmといった非常に小さな圧力計が使われているモデルも珍しくありません。
こうした圧力計には、「今200barくらいある」「そろそろ充填した方がいい」「前回より明らかに圧力が下がっている」といった状態を確認する役割があります。
一方で、243barなのか248barなのかというような細かな数字まで、常に正確に測るための精密計器として考えるものではありません。
安価な小型ヨークアダプターにも同じことが言える
最近は、大型ボンベからPCPへ充填するためのヨークアダプターにも、非常にコンパクトで安価な製品が増えています。
中国製をはじめとした小型ヨークアダプターの中には、20mm台の小さな圧力計を装備したものもあります。
コンパクトで価格も安く、充填そのものには便利な製品です。
ただし、「充填側についているメーターだから、銃側より必ず正確」とは限りません。
20mm台という非常に小さな文字盤で300bar前後まで表示する以上、1目盛りも細かくなり、読み取りやすさには限界があります。
また、製品によっては圧力計の精度等級などが明示されていないものもあります。
安価な中国製品だから一律に精度が低い、という話ではありません。
重要なのは、圧力計にも品質差があり、単に「充填側だから正しい」とは考えないことです。
MDEなどが50mm級の大型メーターを使う理由
一方で、昔からPCPの大型ボンベ充填で広く使われてきたMDEなどの充填アダプターを見ると、50mm前後の大型圧力計が使われています。
このサイズには意味があります。
文字盤が大きければ目盛りを細かく配置でき、針の位置も読み取りやすくなります。
そして、こうした充填アダプターでは、圧力計そのものにもコストが掛かっています。
安価な小型アダプターと比べると本体価格は高くなりますが、単に金属製のアダプター部分が高いわけではありません。
高品質な圧力計を採用することも価格差の大きな理由のひとつです。
300bar前後という高圧を扱う機器では、圧力計は単なる付属品ではなく、重要な部品です。
大きい圧力計なら必ず正確、というわけでもない
50mmの圧力計だから必ず高精度で、25mmなら必ず低精度、という単純な話ではありません。
圧力計の精度は、メーターの大きさ、ブルドン管や内部機構の品質、製造精度、調整・検査、精度等級、使用温度や経年変化などで決まります。
したがって、最も確実なのはメーカーが精度等級を明示している圧力計を使うことです。
ただ、実際のPCP用品ではそこまで仕様が公開されていない製品も多いため、サイズやメーカー、製品の品質も判断材料になります。
銃側と充填側で10bar違ったら、どちらが正しい?
たとえば、充填側が250bar、銃側が240barだったとします。
このとき、「充填側が正しくて銃側が10barズレている」とは限りません。
実際の圧力が245barで、充填側が+5bar、銃側が-5barという可能性もあります。
つまり、2つの圧力計にはそれぞれ誤差があり、その差を見ていると考えた方がいいでしょう。
普段からほぼ同じ差が出ているなら、「この銃は充填側より約10bar低く表示される」と、その組み合わせの傾向を把握しておけば十分実用になります。
最大充填圧力付近では、メーターの精度を意識する
特に注意したいのは、最大充填圧力近くまで空気を入れる場合です。
たとえば最大250barの銃で、銃側の小型メーターが240barだからといって、「あと10bar入る」と単純に判断するのはおすすめできません。
充填側のメーターが250barを示しているなら、すでにその付近まで入っている可能性があります。
最大充填圧力近くまで充填する場合ほど、信頼できる充填側メーターを用意して、その特性を把握しておくことが重要になります。
急に表示差が変わったら確認する
普段から、充填側250bar/銃側240bar程度だったのであれば、それがその機器のいつもの差かもしれません。
ところが、ある日突然、充填側250bar/銃側210barとなったのであれば話は別です。
圧力計そのものの故障やズレ、接続部の問題、エア漏れなどを確認した方がいいでしょう。
重要なのは、「2つのメーターが完全に同じか」ではなく、「いつもの差から変化していないか」を見ることです。
圧力計の仕組みをもっと詳しく知りたい方へ
ブルドン管式圧力計の仕組みや、小型メーターと大型メーター、デジタル圧力計との違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
銃側と充填側の圧力計が違うときに覚えておきたいこと
基本は次の通りです。
- 銃側と充填側の圧力計が完全に一致しないことは珍しくない
- 小型メーターは構造や読み取りの面で高精度化に不利
- 銃本体の小型メーターは、おおよその圧力を見る用途と考える
- 充填側でも20mm台の小型メーターなら、必ず高精度とは限らない
- MDEなどの本格的な充填アダプターでは50mm級の大型メーターが使われている
- 大型だから必ず正確ではなく、圧力計そのものの品質や精度等級も重要
- 2つのメーターにはそれぞれ誤差がある
- 毎回ほぼ同じ差なら、その機器固有の傾向として把握する
- 最大充填圧力付近では、特に充填側メーターの信頼性を意識する
- いつもの表示差から急に大きく変わったら点検する