エアライフルのオーバーホールは何年ごと?
必要になる理由と費用、猟期に備えた整備の考え方
PCPエアライフルを長く使ううえで、知っておきたいのがオーバーホールです。
なぜ必要なのか、いくらかかるのか、預けてから戻るまでにどのくらいかかるのか。内部で使われている消耗品の役割から、整備の頻度と依頼する時期を考えてみましょう。
オーバーホールとは?なぜ必要になる?
オーバーホールとは、銃を分解して内部を点検・清掃し、消耗した部品を交換して状態を整える整備です。PCPエアライフルでは、分解清掃とOリングなどのシール類の交換が基本になります。
Oリングは、ゴムなどでできた輪状のパッキンです。PCPの内部では、部品のつなぎ目などから高圧の空気が漏れないよう、さまざまな場所で使われています。
このOリングは、使用によって傷んだり摩耗したりするだけでなく、時間の経過によっても劣化します。弾力が失われたり、硬くなったり、ひび割れたりすると、空気を密閉する役割を十分に果たせなくなります。
そのため、撃つ回数が少ない銃や、長期間使わずに保管していた銃でも、交換が必要になることがあります。あまり使っていなくても、内部の消耗品は経年劣化するということです。
オーバーホールでは、こうしたシール類を交換するとともに、各部の汚れや摩耗、破損などを確認します。必要な給脂を行い、組み立て後に作動を確認するところまでが整備になります。
費用は標準的なもので3万円前後
標準的なオーバーホール費用は、3万円前後がひとつの目安です。構造が複雑なモデルでは、それ以上になることもあります。
外部調整機構など、さまざまな機能を備えた銃は、その機能を実現するための部品や機構も増えます。整備する箇所や作業の手間が変わるため、機種や作業量に応じて料金を何段階かに分けている銃砲店もあります。
また、分解時にOリング以外の部品の摩耗や破損が見つかった場合は、部品交換や修理の費用が追加されることがあります。基本料金だけで、すべての故障を修理できるとは限りません。
銃を購入するときには、本体価格や性能と一緒に、そのモデルのオーバーホール費用も聞いておきましょう。購入時には魅力に見える多くの機能が、将来の整備費用にも関わります。
※料金や作業範囲は依頼先・機種・銃の状態によって異なります。基本料金に含まれるもの、追加の部品代や修理代、送料や見積もり費用の扱いを確認してください。
預けてから戻るまで、どのくらいかかる?
依頼前には、銃を持ち込むのか発送するのか、受け渡し方法を銃砲店に確認しましょう。発送する場合は、発送方法や梱包、同梱するものなどの案内を受け、あわせて返却までの期間の目安を聞いておきます。
預かり期間は、その店で整備できるか、国内の修理サービスを担当する別の銃砲店へ送る必要があるかによっても変わります。一般的な例は次のとおりです。
| 整備を行う体制 | 預かり期間の目安 |
|---|---|
| 依頼した銃砲店の店内で整備する場合 | 2週間程度から |
| 国内の修理サービスを担当する銃砲店へ送る場合 | 1か月程度から |
あくまで一般的な目安で、作業内容や受付状況によって変わります。銃を使う予定が決まっている場合は、依頼時に伝えておきましょう。
分解後に特別な部品交換が必要になった場合は、さらに時間がかかります。国内に在庫がなく、本国からの取り寄せになる場合には、その入荷待ちも預かり期間に加わります。
PCPエアライフルの預かり期間が装薬銃より長くなる理由のひとつに、組み立て後の空気漏れの確認があります。わずかな漏れは組み立てた直後の確認だけでは分からないため、整備する側で空気を充填し、数日から1週間ほどかけて漏れがないか確認することがあります。
整備には、分解・清掃・組み立ての作業だけでなく、時間を置いて状態を確かめる工程も含まれます。この確認期間まで含めて、余裕を持って依頼しましょう。
頻度はメーカーの案内と銃の状態から考える
国内では「2年ごと」と案内されることがありますが、すべてのPCPに共通するオーバーホールの間隔が決まっているわけではありません。
海外の例では、メーカーのDaystateは3年ごとの整備を推奨しています。一方、英国の整備業者The RAT Worksは、同社の管理方法に従うことで、次の整備まで最大5年程度使えると説明しています。
整備の時期は、メーカーの指定や保証条件を確認したうえで、使用頻度、保管環境、前回の整備内容、現在の銃の状態をあわせて考えます。
空気漏れ、弾速のばらつき、作動や操作感の変化などがあれば、予定していた年数を待たずに点検を依頼しましょう。以前より着弾が安定しないなどの変化も、相談するきっかけになります。
一方で、メーカーから特段の指定がなく、問題なく使えている銃まで、経過年数だけを理由に必ずオーバーホールしなければならないとは私は考えていません。年数を目安にしながら、使い方と状態から判断することが大切です。
短い猟期に備える予防整備には意味がある
約3か月の猟期を中心に使う人にとって、猟期中に銃が故障する影響は小さくありません。修理を待っている間に、狩猟へ行ける日が減ってしまいます。
そのため、故障する前に状態を確認し、必要な整備を済ませておくことには意味があります。
調子がよい銃をむやみに分解整備する必要はありませんが、整備履歴が分からない、長期間点検していない、以前と違う感触があるといった場合には、次の猟期を迎える前に相談しておくとよいでしょう。
依頼するなら春から夏の間に
オーバーホールを予定しているなら、私は春から夏の間に依頼しておくのがよいと思います。猟期前は点検や修理の依頼が集中しやすいためです。
早めに整備を済ませれば、戻ってきた銃を射撃場で撃ち、作動や弾速、着弾を確認する時間も確保できます。必要に応じてゼロインをやり直すことも含め、返却後の確認まで見込んで予定を立てましょう。