狩猟鳥の見分け方|鳥獣判別の基本と狩猟鳥26種一覧
撃つ前に確認したい判別の基本と、現在の狩猟鳥一覧
狩猟で鳥を見分けるときの基本と、現在の狩猟鳥26種を一覧で紹介します。色だけに頼らない判別の考え方、遠距離やカモ類での注意点、ゴイサギ・バンの指定解除など、撃つ前に確認したいポイントをまとめます。
「たぶん狩猟鳥だろう」で撃たない
狩猟を始めると、想像以上に「これは何の鳥だろう?」という場面に出会います。
キジやマガモのオスのように特徴が分かりやすい鳥ばかりではありません。カモのメスや若鳥、遠くにいる鳥、逆光の鳥などは、慣れていても判別に迷うことがあります。
狩猟で最も大切なのは、「おそらく狩猟鳥だろう」で撃たないことです。
自信を持って種類を判別できない場合は、撃たずに見送る。これが鳥獣判別の基本です。
現在の狩猟鳥は26種
環境省が現在、狩猟鳥獣として指定している鳥類は26種です。狩猟鳥獣全体では鳥類26種、獣類20種の計46種が指定されています。
まずは「何が狩猟鳥なのか」を正しく知っておくことが判別の第一歩です。
| 区分 | 狩猟鳥 |
|---|---|
| 水鳥・カモ類 | カワウ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ |
| キジの仲間 | エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く)、キジ、コジュケイ |
| シギ類 | ヤマシギ、タシギ |
| その他 | キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス |
ただし、狩猟鳥に指定されているからといって、全国どこでも、いつでも同じ条件で捕獲できるわけではありません。地域、猟期、性別、捕獲数などに追加の規制がある場合があります。
実際に狩猟する際は、その年度に狩猟者登録をする都道府県の最新資料も必ず確認してください。
狩猟鳥はずっと同じではない
狩猟鳥の指定は固定されたものではありません。生息状況などを踏まえて変更されることがあります。
代表的なのがゴイサギとバンです。この2種は以前は狩猟鳥でしたが、2022年の見直しで狩猟鳥獣の指定から外れました。
そのため、昔の狩猟本や古いWeb記事に狩猟鳥として載っていても、その情報が現在も正しいとは限りません。
「昔は獲ってよかったから今も大丈夫」と考えず、猟期前に最新の一覧を確認する習慣をつけておくと安心です。
鳥は「色」だけで判別しない
鳥を見分けるとき、最初はどうしても羽の色に注目しがちです。
しかし野外では、光の当たり方、逆光、距離、季節、雌雄、成鳥と若鳥などによって、図鑑で見た姿とはかなり違って見えることがあります。
特にカモ類のメスは褐色系の種類が多く、遠くから色だけで判断するのは危険です。
色は判別材料のひとつにすぎません。複数の特徴が一致して初めて、その鳥だと判断するようにします。
判別するときに見るポイント
最初に見るのは、大きさと全体のシルエットです。首が長いか短いか、体に対して頭が大きいか、尾が長いか、嘴は細いか幅広いかを見ます。
さらに、嘴の形や色、頭部の模様、翼、尾、足、飛び方、鳴き声、群れ方、いる場所、採餌行動などを組み合わせます。
水鳥なら、潜るか、水面で採餌するか、岸辺を歩くかといった行動も大きな手掛かりになります。
「この特徴があるから○○」ではなく、「複数の特徴が一致するから○○」と考える方が、判別ミスを減らしやすくなります。
- 大きさ・体型・シルエット
- 嘴の形と色
- 頭部や羽の模様
- 翼や尾の特徴
- 足の色や長さ
- 飛び方・泳ぎ方・採餌方法
- 鳴き声
- 群れ方
- いる環境
言葉を覚えると、見える特徴が増える
鳥の判別を上達させるうえで意外に重要なのが、羽や体の部位の名前を覚えることです。
たとえばカモなら、翼鏡、次列風切、三列風切、過眼線などの言葉を知っていると、「なんとなく違う」で終わらず、どこが違うのかを具体的に見られるようになります。
特徴を言葉にして確認できるようになると、図鑑や写真を見比べるときの精度も上がります。
鳥の名前を丸暗記するより、判別に使う特徴を言語化できるようになることの方が実猟では役立ちます。
距離があるときほど無理に判断しない
エアライフル猟では、かなり離れた位置から獲物を観察することがあります。
距離が離れれば、肉眼だけで細かな特徴を確認するのは難しくなります。逆光や日陰が重なると、色の印象も大きく変わります。
そのため私は、まず双眼鏡で鳥種と周囲を確認し、そのあと必要なら距離を測り、射撃できる状況か判断する流れを基本にしています。
種類を確認するためにライフルスコープを向けるのではなく、「何の鳥か分からないものには、そもそも銃を向けない」と考えておく方が分かりやすいでしょう。
特にカモ類とシギ類は注意する
狩猟鳥の中でも、判別に慣れが必要なのがカモ類です。オスは特徴が分かりやすい種類でも、メスや若鳥になると難易度が一気に上がります。
さらに水辺には、狩猟鳥ではないカモや水鳥が一緒にいることも珍しくありません。「カモっぽいから」ではなく、種まで確認できてから判断します。
シギ類も注意が必要です。狩猟鳥にはヤマシギとタシギがありますが、よく似た非狩猟鳥もいるため、形や模様、生息環境まで含めて確認します。
猟場だけで判別を練習しない
判別の練習は、猟期中の猟場だけでする必要はありません。
むしろ親水公園や河川など、鳥を近距離で観察できる場所の方が練習には向いています。
同じ種類でも正面、横、後ろ、逆光、日陰では印象がかなり変わります。違う種類の鳥を同時に見比べると、大きさや体型の違いも分かりやすくなります。
「隣にいるオスと同じ種類のメスだろう」といった思い込みをせず、一羽ずつ特徴を確認する練習をしておくと、猟場での判別にもつながります。
判別できないなら撃たない
すべての鳥を一度に覚える必要はありません。
まずは自分が確実に判別できる鳥を少しずつ増やしていけば十分です。
猟場で分からない鳥に出会ったら、撃たずに観察する。可能なら写真を撮り、帰宅してから図鑑や資料で確認する。その繰り返しで、少しずつシルエットや動きだけでも分かる鳥が増えていきます。
獲物を見つける技術と同じくらい、獲物ではないものを見分ける技術も狩猟には必要です。
鳥獣判別をもっと詳しく学ぶ
38TUNESのnoteでは、鳥獣判別をテーマにした記事を「狩猟鳥獣判別」マガジンにまとめています。
マガジン内では、初心者向けの狩猟鳥図鑑、判別が難しいメスガモの見分け方、カモの嘴や翼鏡・風切羽などを見る判別法、ヤマシギやタシギを含むジシギ類の見分け方、親水公園で実物のカモを観察しながら行う判別トレーニングなどを詳しく紹介しています。