カモ回収用ラジコンボートの選び方
サイズ・速度・技適・バッテリーまで実猟目線で解説
カモ回収用のラジコンボートを選ぶときに見るべきポイントを、実際の猟での使い方から解説します。船体サイズ、速度、遠距離での視認性、通信距離、技適、予備バッテリー、LiPoなどの充電・保管、リールとラインを使ったロスト対策までまとめます。
ラジコンとしてではなく「回収道具」として選ぶ
カモ猟で、キャスティングでは届かない場所に獲物が落ちたときに便利なのがラジコンボートです。
Amazonなどを見ると、小型で安価なRCボートが数多く販売されています。しかしカモ回収に実際に使うと、「水に浮いて走れば何でもいい」わけではありません。
特に遠距離の回収だけをラジコンに任せるのであれば、小型でゆっくり走る艇よりも、ある程度のサイズがあり、しっかり速度が出る艇の方が使いやすいと感じています。
この記事では、遊ぶためのラジコンではなく、カモを回収する道具としてRCボートを選ぶときのポイントを紹介します。
小さいラジコンボートは意外と使いにくい
小型のラジコンボートには、軽い、安い、車に積みやすいというメリットがあります。
ただし実際のカモ回収では、まず速度が問題になります。
例えば100m先のカモまで向かわせる場合、ボートが遅いと到達までに時間がかかります。その間にも獲物は風や水流で移動します。
特に川や風のある池では、ボートが向かっている間にもカモの位置が変わっていきます。
遠距離だけをラジコンに任せるのであれば、収納性だけでなく、風や波のある水面でも十分に前へ進める速度を重視した方が実用的です。
100m先では「見える大きさ」も重要
小型艇でもうひとつ問題になるのが視認性です。
100m前後まで離れると、小さな船体は想像以上に見えにくくなります。水面の反射に紛れたり、波で船体が上下したり、風があると一瞬見えなくなったりします。
さらに小さい艇では、ボートがどこにいるかだけでなく、どちらを向いているのかも分かりにくくなります。
送信機の電波が100m届くことと、100m先で実際に操作しやすいことは別です。
遠距離で使うなら、通信距離だけでなく、その距離でも自分の目で位置と向きを確認できる船体サイズかどうかも重要です。
カモ回収では速度にも意味がある
普通にラジコンボートを遊ぶなら、最高速度は趣味的なスペックかもしれません。
しかしカモ回収では、速さは回収開始までの時間に直結します。
半矢なら獲物が移動することがありますし、動かなくなっていても風や流れによって位置は変わります。
つまりカモ回収では、「速い=楽しい」ではなく、「速い=獲物まで早く到達できる」という実用上の意味があります。
極端な高速艇が必要ということではありませんが、風や波の中でなかなか前へ進まない艇より、余裕を持って走れる艇の方が使いやすいです。
通信距離だけを見て選ばない
ラジコンボートが必要になるのは、そもそもキャスティングでは届かない距離です。そのため送信機の通信距離も確認します。
ただし、商品説明に「100m操作可能」と書かれていても、100m先で快適に使えるとは限りません。
その距離で船体が見えるか、向きが分かるか、風や波に負けずに進めるかまで含めて考えます。
カモ回収では、通信距離、船体サイズ、視認性、速度をセットで見る方が実用的です。
購入前に技適を確認する
海外製のラジコンボートを購入するときは、送信機の技適も確認します。
通販サイトでは海外向けのRC製品も簡単に購入できますが、日本の電波法令への適合を確認できない製品もあります。
「日本の通販サイトで売られているから、そのまま国内で使える」とは考えず、送信機本体、製品説明、パッケージや説明書などで技適マークや認証番号を確認します。
総務省も、外国規格の無線機器には日本国内で使用できないものがあり、購入時には仕様や技適マークを確認するよう案内しています。
カモ回収用として選ぶなら、価格や速度を見る前に確認しておきたい項目です。
バッテリー駆動時間は意外と短い
実際にラジコンボートを使うと、思ったよりバッテリーが持たないと感じます。
私が使ってきたものでは、満充電でも実際に走らせられる時間は15〜20分程度という感覚です。もちろん機種、バッテリー容量、速度、水面状況などによって大きく変わります。
カモ猟では一回使ったら終わりとは限りません。朝に一度使い、別の場所でもう一度必要になることもあります。
そのため、予備バッテリー付き、あるいは予備バッテリーを追加購入できるモデルがおすすめです。
そして出猟前には、予備も含めて両方とも充電しておきます。予備を持っていても空なら意味がありません。
バッテリーは「種類」も確認する
RCボートに使われている充電池には、いくつか種類があります。
代表的なのはLiPo(リチウムポリマー)、Li-ion(リチウムイオン)、NiMH(ニッケル水素)などです。
重要なのは、バッテリーの種類によって適切な充電方法や保管方法が違うことです。
購入時や予備バッテリーを追加するときは、容量だけでなく、バッテリー本体のラベルや取扱説明書を見て種類を確認します。
充電器を別途用意する場合も、対応するバッテリー種類、電圧、セル数などを確認してください。
LiPoを使う機種では充電と保管に注意する
LiPoバッテリーを使う機種では、対応した充電器を使い、製品の説明書に従って充電します。
長期間使わない場合は、満充電のまま放置するのではなく、対応充電器のStorageモードなどを使って保管に適した状態へ調整します。一般的なRC用LiPoでは1セルあたり約3.8V前後が保管電圧の目安として使われますが、実際にはバッテリーと充電器の指定を優先してください。
膨らんでいる、異常に熱くなる、充電できない、以前より極端に使用時間が短くなった、といった異常があるバッテリーは使用を続けない方が安全です。
また、車内の高温になる場所へ放置したり、可燃物に囲まれた状態で充電・保管したりしないようにします。
回収用品は一式まとめておく
私はカモ回収に使う道具を、ひとつのコンテナケースにまとめています。
ラジコンボートだけでなく、交換用のフックやパーツ、ワイヤー類、キャスティング用のカモキャッチャーなども一緒に入れ、ケースには乾燥剤も入れています。
水辺で使うものなので、帰宅後は必要に応じて水分を取り、十分に乾燥させてから収納します。
こうして「カモ回収セット」そのものを一つの装備にしておくと、出猟時の忘れ物も減らせます。
なお、プラスチック製コンテナ自体をバッテリーの耐火容器とは考えず、リチウム系バッテリーは製品に合った難燃性・不燃性の収納を別途考えます。
ボートをリールのラインにつないで使う
私の回収方法では、ラジコンボートをリール付きロッドのラインにつないでいます。
ボートは岸からカモまではモーターで走らせ、獲物をフックに掛けたら、帰りはラジコンを走らせるのではなく、リールを巻いてラインでボートと獲物を岸へ引き寄せます。
この方法なら帰りのモーター駆動が不要なので、バッテリーを節約できます。
さらに、途中でバッテリーが切れたり、ボートが動かなくなったりしても、ラインがつながっていれば岸から引き戻せます。
カモを回収しに行ったラジコンボートまでロストすることを避けるための対策としても有効です。
釣りもする人ならベイトリールがおすすめ
普段から釣りをしていてベイトリールの扱いに慣れている人なら、この用途にはベイトリールがおすすめです。
ラインを送り出したあとにスプールから糸が必要以上にばらけにくく、ボートを走らせながらラインを管理しやすいからです。
一方で、ベイトリールはバックラッシュなど特有のトラブルがあり、釣りをしない人がカモ回収のためだけに初めて使うには少し扱いにくい道具です。
ベイトに慣れていなければ、スピニングリールなど自分が確実に扱えるリールを使う方がよいでしょう。
重要なのはリールの種類そのものではなく、ボートの走行中にラインを安全に送り出し、回収時にはリールを巻いて確実に引き戻せることです。
ラジコンは行きだけ走ればいい
ボートをラインにつないで使うと、ラジコンに求める性能の考え方も変わります。
帰りはリールを巻いて回収するので、モーターを使うのは基本的に往路だけです。
そのため、長時間ゆっくり走れることより、短時間で遠くのカモまで到達できることの方が重要になります。
バッテリーを節約でき、ボートのロスト対策にもなり、速い艇なら風や流れで獲物が移動する前に到達しやすくなります。
私が小型で遅いラジコンより、ある程度大きくて速度の出るモデルを選ぶ理由はここにあります。
近距離までラジコンに頼る必要はない
私はすべてのカモをラジコンボートで回収しているわけではありません。
届く距離なら基本的にはキャスティングで回収し、ラジコンを使うのはキャスティングでは届かない遠距離が中心です。
近距離から中距離はカモキャッチャー、その先をラジコンというように役割を分けています。
毎回ラジコンを準備する必要がなく、バッテリー消費も抑えられます。
カモ回収用ラジコンで見るポイント
最終的に、カモ回収用として私が重視するのは「獲物まで短時間で確実に到達できるか」です。
- 遠距離でも見失いにくい、ある程度の船体サイズがある
- 風や波の中でも余裕を持って進める速度がある
- 必要な通信距離がある
- 遠距離でも位置と向きを目視しやすい
- 送信機の技適を確認できる
- 予備バッテリーを用意できる
- 使用しているバッテリーの種類と正しい充電・保管方法を確認できる
- ラインにつないでロスト対策ができる
特に、近距離・中距離はキャスティングで回収し、どうしても届かない距離だけラジコンに任せるなら、長時間ゆっくり走ることより、必要なときに速く獲物まで到達できることの方が重要です。
カモ回収用のラジコンボートは、ラジコンとしてではなく、狩猟用の回収道具として選ぶ。この視点で見ると、選ぶ基準もかなり変わります。
実際の回収システムを詳しく見る
38TUNESのnoteでは、ラジコンボートとリール付きロッドを組み合わせた実際のカモ回収システムを、フックやワイヤーなども含めて写真付きで紹介しています。