カモの見分け方|狩猟で間違えないための判別ポイント
嘴・頭部・翼鏡・羽・行動からカモを見分ける
狩猟でカモを見分けるときの基本を解説します。狩猟対象となるカモ11種、嘴や頭部、体羽、翼鏡、三列風切、行動などを見るポイント、メスガモや若鳥を判別するときの注意点をまとめます。
「カモに見える」ではなく、何ガモなのか確認する
カモ猟を始めると、かなり早い段階でぶつかるのがカモの判別です。
マガモのオスのように特徴がはっきりした個体なら分かりやすいのですが、メスや若鳥になると一気に難しくなります。
遠い、暗い、逆光、水面で体の一部しか見えない、複数種が同じ群れに混じっている。猟場では、図鑑の写真のような条件でカモを見られるとは限りません。
だからこそ、「カモに見える」ではなく、「何ガモなのか確認できる」ことが重要です。最後まで確信できない場合は撃たずに見送ります。
狩猟対象となるカモは11種
現在、環境省が狩猟鳥として指定しているカモ類は11種です。
- マガモ
- カルガモ
- コガモ
- ヨシガモ
- ヒドリガモ
- オナガガモ
- ハシビロガモ
- ホシハジロ
- キンクロハジロ
- スズガモ
- クロガモ
一方で、オカヨシガモやトモエガモなど、猟場で出会う可能性があっても狩猟鳥ではないカモもいます。
つまり「カモだから狩猟できる」わけではありません。また、狩猟鳥であっても都道府県によって捕獲禁止や捕獲数などの追加規制が設定される場合があります。実際に狩猟する地域の最新資料も確認してください。
カモは色だけで見分けない
カモを覚え始めると、最初は羽の色に注目しがちです。しかし野外では、光の向き、距離、季節、雌雄、成鳥と若鳥などによって見え方が大きく変わります。
特にメスや若鳥は、オスほど特徴的な色彩を持たない種類が多く、遠目ではどれも褐色系に見えることがあります。
また、翼鏡のような構造色は光の当たり方によって見え方が変わります。
カモは色だけで決めず、体型、嘴、頭部、羽、行動など複数の特徴を組み合わせて判別します。
まず大きさとシルエットを見る
遠くにいるカモでは、細かな模様より先に全体を見る方が分かりやすいことがあります。
大型か小型か、首が長いか短いか、頭が丸いか額が立って見えるか、嘴が長いか短いか、体が細長いか丸いか、といった特徴です。
例えばコガモは小型で、オナガガモは首が長く全体にすらっとした印象があります。
まずシルエットで候補を絞り、そのあと細部を確認していきます。
嘴はかなり重要な判別ポイント
カモの嘴は種類によって形や色がかなり違うため、判別材料として使いやすい部位です。
ハシビロガモは名前の通り幅広い嘴が特徴的です。カルガモでは黒っぽい嘴の先端に黄色が目立ち、マガモのメスでは橙色をベースに黒が入る個体がよく見られます。
一方で、オナガガモやヒドリガモなどには灰色系の嘴が見られます。
個体差や光の影響もあるため嘴だけで確定はしませんが、候補を絞るうえでかなり役立ちます。
頭の形と顔を見る
羽の色や模様だけではなく、頭そのものの形も見ます。
額の立ち方、嘴から頭頂部までのライン、頬の色、目の周囲や過眼線などを確認すると、候補を絞りやすくなります。
例えばカルガモでは顔の線が比較的はっきり見えます。一方で、同じ褐色系に見えるカモでも顔の模様や頭の形は異なります。
遠距離では細かな色が分かりにくくても、頭部の輪郭は比較的確認しやすいことがあります。
体羽の模様を見る
メスガモを見分けるときは、体羽の模様も重要です。
一見するとどれも茶色っぽく見えますが、双眼鏡で見ると羽一枚ごとの模様や、体全体のコントラストに違いがあります。
例えばマガモのメスでは細かな鱗状に見える模様が目立ちます。カルガモでは羽の内側と外縁の見え方が異なり、全体の印象にも違いがあります。
「茶色いカモ」で終わらず、模様がどう入っているかまで見ると判別材料が増えます。
翼鏡だけで決めない
カモの判別でよく使われるのが翼鏡です。翼を開いたときなどに見える、青、緑、紫などに輝く部分を指します。
ただし翼鏡は光の当たり方によって見え方が変わりますし、似た色を持つ種類もあります。
白い部分や翼鏡が見えたという一つの特徴だけで決めず、嘴、頭部、体羽、三列風切なども合わせて確認します。
「翼鏡の色を覚えれば判別できる」というより、複数ある確認材料のひとつとして使うのが安全です。
三列風切も覚えておくと強い
もうひとつ覚えておくと便利なのが三列風切です。
翼を畳んだ状態でも比較的見やすく、種類によって形や色に特徴があります。
嘴や頭部だけで迷ったとき、三列風切が追加の判別材料になることがあります。
翼鏡、次列風切、三列風切など部位の名前を知っておくと、図鑑や写真を見比べるときにも「どこを見ればいいか」が分かりやすくなります。
足の色は補助的に使う
足の色も種類によって違いがあります。
マガモ、カルガモ、ハシビロガモなどでは橙色系の足が見られますが、黄色系や灰色系の種類もあります。
ただし足の色には個体差があり、水面ではそもそも見えないことも多いため、足だけで判別しません。
確認できた場合の補助材料くらいに考えておくとよいでしょう。
動きやいる場所も判別材料になる
見た目だけではなく、そのカモが何をしているかも見ます。
水面で採餌するのか、水中へ完全に潜るのか、大きな群れを作るのか、岸辺に近い場所にいるのか、沖合にいるのか、といった行動や環境です。
例えばホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモなどの潜水性のカモと、水面を中心に採餌するカモでは行動にも違いがあります。
行動だけで種類を確定することはできませんが、外見と組み合わせると候補を絞りやすくなります。
メスガモは特に慎重に見る
カモ判別で難しい場面のひとつがメスです。
オスでは特徴的な色彩を持つ種類でも、メスは全体に褐色になることが多く、一見するとよく似ています。
同じ群れに複数種が混じることもあるため、「隣にいるオスと同じ種類だろう」と決めつけず、射撃しようとしている一羽そのものを判別します。
私はメスガモを見るとき、まず大きさと嘴、頭部を見て候補を絞り、体羽や翼、行動などを追加して確認しています。
猟場では複数の特徴が一致するか確認する
遠くにカモを見つけたら、私は大まかに「大きさとシルエット→嘴と頭部→体羽→翼や三列風切→行動」という順番で特徴を増やしていきます。
すべての部位を毎回確認できるわけではありません。だからこそ、一つの特徴に頼らず、見えている複数の特徴が同じ種類を示しているかを確認します。
最後まで確信できなければ、撃たない。それが一番確実です。
- 大きさ・シルエットで候補を絞る
- 嘴と頭部を見る
- 体羽の模様を見る
- 翼鏡・次列風切・三列風切が見えれば確認する
- 行動や周囲のカモも参考にする
- 複数の特徴が一致するか確認する
スコープではなく双眼鏡で判別する
鳥の種類を確認するために、最初からライフルスコープを向けるのではなく、まず双眼鏡で観察します。
カモの種類と周囲の状況を確認し、必要ならレンジファインダーで距離を測る。射撃するかどうかを判断するのはその後です。
「何の鳥か分からないものには、そもそも銃を向けない」と考えておくと判断の順番が分かりやすくなります。
猟場以外で練習するのが一番早い
カモ判別を上達させたいなら、猟場だけで覚えようとしないことをおすすめします。
親水公園や河川などカモが多くいる場所へ双眼鏡を持って行くと、猟場より近い距離で観察できることがあります。
嘴、頭の形、体羽、翼、泳ぎ方。同じカモを正面、横、後ろから見ていると、図鑑だけでは分かりにくかった特徴が見えてきます。
そして、名前を当てるだけではなく「なぜその種類だと思ったのか」を言葉にしてみます。部位の名前を覚えると、「なんとなく違う」が具体的な違いとして見えるようになります。
「何となく分かる」を「説明できる」にする
カモの判別は、種類の名前を暗記するだけでは上達しません。
嘴が違う、頭の形が違う、次列風切が違う、三列風切が違う、体羽のパターンが違う、と違いを言葉にできるようになることが重要です。
そうすると、少し羽衣の違う個体や若鳥に出会っても、自分で特徴を拾って考えられるようになります。
そして狩猟では、判別はクイズではありません。分からなければ撃たないという選択肢が常にあります。カモを獲る技術だけではなく、カモを見分ける技術もカモ猟の一部です。
カモの判別をもっと詳しく学ぶ
38TUNESのnote「狩猟鳥獣判別」マガジンでは、メスガモの見分け方、嘴・翼鏡・三列風切などを使った詳しいカモ判別、狩猟鳥図鑑、ジシギの判別、親水公園での実地トレーニングなどを紹介しています。
実際の写真を見ながら、さらに詳しく判別を練習したい場合はこちらも参考にしてください。