エアライフル選び・構造

ブルパップ型エアライフルとは?

メリット・デメリットと初心者の選び方

ブルパップは銃身長を確保しながら全長を短くできる構造。国内の全長基準、ライフル型との違い、700mmバレルの設計意図、重量バランス、左利きでの操作と頬付けまで、購入前の確認点を整理します。

まず知っておきたい、国内の全長基準

日本で狩猟用のエアライフルを選ぶ際、基本となるのは全長80cm以上という基準です。正確には、空気銃は全長79.9cm以下が所持許可を受けられない基準に該当します。

この全長には、肩に当てるバットパッドやバットプレートの長さを含めません。

また、海外のカタログに記載された全長と、国内の測定基準による全長が一致するとは限りません。シュラウドなどの扱いも含め、国内仕様の全長を販売店で確認しましょう。

ブルパップの短さを考えるときも、この全長基準が前提になります。

ブルパップは、機関部を後ろに配置した構造

ブルパップとは、弾を装填する部分などの機関部を、引き金より後方に配置した構造です。

一般的なライフル型では、機関部の後ろにストックが続きます。一方、ブルパップでは、そのストックに当たる空間へ機関部を配置しています。

ブルパップは、単に全長を短くしたものではありません。機関部を後方へ配置することで、銃身の長さを確保しながら、全体を短くまとめた構造です。

同じ長さの銃身を備えていても、ブルパップなら全長を抑えやすくなります。

同じ銃身長でも、全長には違いが出る

一般的なライフル型では、400mm以上の銃身に機関部とストックを組み合わせ、全長90〜100cmほどになる構成がよく見られます。

一方、700mmの銃身を採用すると、全長が120cmほどになるモデルもあります。銃身の後ろに機関部とストックが続くため、長い銃身を採用するほど、全体も大きくなりやすい構造です。

ブルパップでは、全長80cm前後でも、550〜600mm程度の銃身を収めている例があります。シュラウド内に銃口より先の空間を確保しながら、長い銃身を備える構成もあります。

さらに、全長が100cm近くなるモデルでは、700mmの銃身を採用しているものもあります。

形状・構成の例全長の目安
一般的なライフル型90〜100cmほどの構成がよく見られる
700mm銃身のライフル型120cmほどになるモデルもある
550〜600mm銃身のブルパップ80cm前後に収めている例がある
700mm銃身のブルパップ100cm前後のモデルもある

※数値は構成の例です。機関部やストック、シュラウドの設計によって異なります。

この全長の違いは、持ち歩くときや枝の多い場所を通るとき、ガンケースへ収納するときの扱いやすさに関係します。

700mmバレルを選択するなら、その設計意図を確認する

700mmの長いバレルを採用するPCPには、高出力でエアスラッグや重い弾を使うことを重視したモデルがあります。

こうしたモデルは、一般的なペレットで国内の鳥猟をする用途では、出力が過剰になることがあります。ライフル型では全長も特に長くなり、出力と取り回しの両面で、その用途に向かない場合があります。

ブルパップなら全長を抑えられますが、コンパクトだからといって、ペレットでの狩猟に適したモデルとは限りません。

選ぶ際に確認したいのは、バレルの長さに加えて、その銃がどのような弾と用途を想定して設計されているかです。同じ700mmでも、設計や国内仕様の設定によって性格は異なります。

ペレットで狩猟を始めたいなら、その使い方に合ったモデルを選ぶことが大切です。高出力モデルを選び、あとから用途に合わせようとするより、購入時点で使う弾と目的を販売店に伝えて確認しましょう。

長いバレルや高い最大出力は、それだけで自分にとっての使いやすさや精度の良さを保証するものではありません。

PCPエアライフルのバレル長は何mmがいい?

短いから軽い、とは限らない

全長が短くても、機関部やエアタンクまで小さくなるわけではありません。ブルパップだから軽いとは限らず、スコープやマウントを含めた重さで考える必要があります。

機関部が後方にあるため、重心が手元に近く、一般的なライフル型とは構えたときの感覚が異なります。前方の重さを感じにくい一方、そのバランスが自分に合うかどうかは別の問題です。

持ち運びやすいことと、構えたときに安定することは、別々に確認したいポイントです。

長いバレルのモデルでは前方にも重さが加わり、短いモデルより構えやすく感じることもあります。最も短いモデルが、必ずしも自分にとって扱いやすいとは限りません。

PCPエアライフルのボトル式とチューブ式は何が違う?

引き金の感触にも違いがある

ブルパップでは、引き金と、その操作を受けて発射する機構との距離が離れています。そのため、一般的には棒状の部品などで動きを後方へ伝えます。

この構造によって、引き金を引いたときの滑らかさや、発射に至る感触が変わることがあります。良い引き金を備えたライフル型と比べると、操作の伝わり方に違いを感じる場合があります。

ただし、ブルパップなら一律に引き金の感触が悪いということではありません。機構の設計や仕上げによる違いがあるため、形式だけで判断しないことが大切です。

利き手と頬付けの相性は、購入前に確認する

ブルパップでは、機関部の上や、その近くに設けられた頬当てへ顔を乗せるため、一般的なライフル型とは頬付けの位置や感触が異なります。

特に左利きの場合は、慎重に確認したいところです。右手での操作を前提としたレバーが扱いにくかったり、マガジンや機関部の突起が顔に干渉したりすることがあります。

「左でも構えられる」ことと、「左利きで無理なく使える」ことは同じではありません。レバーを左右に付け替えられるかだけでなく、頬当ての形やマガジンとの位置関係まで確認しましょう。

また、頬付けは覗きやすさだけの問題ではありません。機関部に近い位置へ頬を当てるため、頬付けの位置や力のかかり方が安定しないと、構造によっては着弾位置や弾のまとまりに影響することがあります。

この影響の出やすさは、機関部とストックの固定方法や、頬当ての構造によっても異なります。ブルパップという形式だけで一律に判断できるものではありません。

購入前には、販売店で安全を確認したうえで実物を構え、自分の利き手で操作しやすいか、顔に干渉する部分がないか、無理なく安定して頬付けできるかを確かめることが大切です。

初心者は、どちらを選ぶ?

まだ自分がどのようにエアライフルを使いたいか決まっていない初心者には、38TUNESでは、出力や重さが扱いやすいライフル型も比較することを勧めています。

無理なく構えられ、基本の操作を覚えやすいことは、最初の一丁を選ぶうえで大切です。

一方、持ち歩く狩猟で全長を抑えたいなど、短さを求める理由がはっきりしている方には、ブルパップも有力な選択肢になります。

見た目の新しさや最大出力だけで選ばず、使う弾や維持費も含めて、自分の用途に合っているかを考えましょう。

結論:短さだけでなく、構えやすさまで選ぶ

ブルパップは、長い銃身を確保しながら全長を短くまとめられる構造です。取り回しに優れる一方、重量バランス、引き金の感触、頬付けや操作のしやすさには独特の特徴があります。

取り回しを優先するならブルパップ。まずは構えやすさや基本の扱いやすさを重視するなら、ライフル型も比較する。このように、自分が何を求めるかから考えると整理しやすくなります。

特に左利きの方は、レバーの操作と顔への干渉を購入前に確認しましょう。形式の優劣ではなく、自分が無理なく扱えることを基準に選ぶことが大切です。

この記事のもとになった詳しい解説は、noteに掲載しています。全長の基準と測定方法は、以下の公的資料でも確認できます。

ブルパップPCPのメリット・デメリット 銃砲の所持許可等に関する手続|長野県警察 猟銃、空気銃の測定方法|警察庁