空気銃の所持許可を取るには?
初心者講習から、銃の受け取り・警察での確認まで
エアライフルで狩猟を始めるには、銃を持つための「所持許可」と、狩猟をするための「狩猟免許」が必要です。さらに、実際に猟に出る前には、狩猟を行う都道府県で「狩猟者登録」をします。それぞれ申込先と手続きが異なるため、最初は分かりにくいかもしれません。この記事では、初めて空気銃を所持する人に向けて、何を準備し、どこへ申し込み、何を受け取るのかを順番に整理します。
所持許可・狩猟免許・狩猟者登録は、別の手続き
まず、三つの違いを押さえておきましょう。
| 手続き | 目的 | 主な窓口 |
|---|---|---|
| 空気銃の所持許可 | 特定の銃を所持する許可を受ける | 住所地を管轄する警察署 |
| 狩猟免許の取得 | 狩猟に必要な資格を取得する | 住所地の都道府県の狩猟担当部署 |
| 狩猟者登録 | その年度、その都道府県で狩猟を行うために登録する | 狩猟を行う都道府県の担当部署 |
空気銃だけで狩猟をする場合は、第二種銃猟免許が対象になります。第一種銃猟免許でも空気銃を使用できます。
狩猟免許を取得すると「狩猟免状」が交付されます。ただし、それだけで銃を所持できるわけではなく、別途、警察を通じた所持許可の手続きが必要です。
所持許可と狩猟免許の準備は、講習や試験の日程を見ながら並行して進めます。最初に警察署へ相談するときから、エアライフル猟が目的であることを伝え、狩猟免状を取得する時期も確認しておきましょう。
警察署に相談し、初心者講習を申し込む
申込先:住所地を管轄する警察署の生活安全課など、銃砲の担当窓口
まずは電話で「初めて狩猟用の空気銃を所持したい」と伝え、猟銃等講習会の初心者講習について確認します。
東京都では、警視庁行政手続オンラインで受講予約を行い、その後、電子申請または警察署の窓口で正式に申し込む方法が案内されています。予約後には申込期限があるため、予約しただけで手続きが終わったと思わないようにしましょう。
窓口での申込みには、顔写真や本人確認書類などを準備します。必要なものは、申込方法に応じた案内で確認してください。
講習では法律や銃の取り扱い・保管について学び、考査に合格すると「講習修了証明書」が交付されます。この証明書を、その後の所持許可申請で使用します。
申請するのが空気銃のみの場合、散弾銃などで必要になる教習資格認定や射撃教習の手続きは不要です。
まずガンロッカーを入手し、保管できる状態を整える
相談先:警察署の銃砲担当窓口・銃砲店
ここでは、銃を自宅で保管する場合を説明します。
所持許可を受けるには、基準に適合する保管設備が必要です。「許可が出てからガンロッカーを買う」という順番ではなく、先に保管環境を整えておきます。
まず設置場所を決め、警察署や銃砲店に仕様・設置方法を確認してから、ガンロッカーを入手します。賃貸住宅の場合は、固定に必要な工事ができるかも先に確認しておきましょう。
購入時には、想定している銃の全長や、スコープを付けた状態で収まるかも確認します。
ガンロッカーは、購入して箱のまま置いておけばよいものではありません。適切に設置し、銃を受け入れられる状態にしてから、次の準備へ進めます。
所持する銃を決め、譲渡等承諾書を用意してもらう
相談先:購入予定の銃砲店など、銃を譲り受ける相手
保管環境の準備ができたら、所持する銃を決めます。
所持許可は、申請する銃を特定して審査を受けます。そのため、先に許可だけ取ってから自由に銃を選ぶ、という手順にはなりません。
銃が決まったら、販売店などに「譲渡等承諾書」を用意してもらいます。銃の情報や譲渡する相手について記載する、所持許可申請に必要な書類です。
予約・契約や支払いの時期は販売店と相談しますが、銃本体を受け取るのは所持許可が出た後です。
必要書類をそろえる。診断書は早めに相談する
書類の確認先:申請する警察署
初めて空気銃を所持する場合、主に次のような書類を準備します。
| 書類 | 入手先・準備する人 |
|---|---|
| 所持許可申請書 | 警察の公式サイトや窓口で様式を入手し、本人が記入 |
| 譲渡等承諾書 | 銃砲店など、銃を譲り渡す相手 |
| 講習修了証明書 | 初心者講習の考査に合格後、交付される |
| 診断書 | 所定の条件に該当する医師 |
| 住民票の写し | 住所地の市区町村 |
| 身分証明書 | 本籍地の市区町村 |
| 経歴書・同居親族書 | 所定の様式に本人が記入 |
| 顔写真 | 指定された寸法・撮影時期のものを準備 |
ここでいう「身分証明書」は、本籍地の市区町村が発行する証明書です。運転免許証などの本人確認書類とは異なります。
狩猟用途の場合には、狩猟免状など、使用目的を確認する書類も関係します。提出・提示するものを申請先に確認してください。
診断書は、どの医療機関でも作成してもらえるとは限りません。発行に対応していない医療機関もあり、料金を引き上げた例もあります。以前の経験や知人から聞いた金額だけで判断せず、事前に確認しておきたいところです。
受診前には「猟銃・空気銃の所持許可申請に使う診断書」と用途を伝え、次の点を確認します。
・診断書の作成に対応しているか
・初診でも対応できるか、過去の受診歴が必要か
・診察料や検査料を含めて、いくらかかるか
・受診予約や発行までに、どのくらい日数がかかるか
・警察の指定様式を持参する必要があるか
東京都の案内では、診断書は申請日において受診日から3か月以内のものとされています。対応する医療機関は早めに探し、実際の受診日は申請予定に合わせるとよいでしょう。
所持許可を申請し、審査と保管設備の確認を受ける
申請先:住所地を管轄する警察署の銃砲担当窓口
書類と保管環境が整ったら、担当者と来署日時を調整し、所持許可を申請します。
申請後は、本人への面接や身辺の調査、保管設備の確認などが行われます。必要に応じて、追加の書類や説明を求められることもあります。
東京都では、新たに「申告書(自己申告用)」と「あなたをよく知る方に関する申告書」の提出も案内されています。過去に使った書類や古い解説だけで準備せず、現在の様式を確認しましょう。
講習の開催を待つ期間と、所持許可申請後の審査期間は別です。猟期直前になって慌てないよう、銃を受け取った後の射撃練習まで含めて予定を組みます。
許可証を受け取り、銃を受け取ったら14日以内に確認を受ける
許可の連絡があったら、警察署の案内に従って「猟銃・空気銃所持許可証」を受け取ります。
その許可証を銃砲店などに提示し、許可された銃を受け取ります。さらに、銃と許可証を警察署へ持参し、許可内容と実際の銃が一致するかの確認を受けます。
ここには、二つの期限があります。
| 期限 | いつから数えるか | 行うこと |
|---|---|---|
| 3か月以内 | 所持許可を受けた日 | 許可された銃を受け取り、所持する |
| 14日以内 | 銃を所持することとなった日 | 警察署で銃の確認を受ける |
許可から3か月以内にその銃を所持することにならなかった場合、許可は失効します。許可日と、許可証を手元に受け取った日は同じとは限らないため、起算日も確認しておきましょう。
また、14日以内というのは、警察へ連絡する期限ではなく、確認を受ける期限です。銃の受け取り日が決まったら、警察署での確認日も早めに調整しておきます。
狩猟免許の取得と、猟に行く地域での登録も進める
狩猟免許の申込先:住所地の都道府県の狩猟担当部署
狩猟免許試験は、警察の初心者講習とは別に申し込みます。
東京都の場合は、東京都環境局の案内に沿って事前申請を行い、本申請ができる旨の通知を受けてから、必要書類と手数料を提出します。電子申請を利用しても郵送が必要な書類があるため、案内を最後まで確認しましょう。
試験では知識・適性・技能が確認され、合格すると狩猟免状が交付されます。
狩猟者登録の申請先:実際に狩猟を行う都道府県の担当部署
所持許可と狩猟免許を取得したら、猟に行く地域で狩猟者登録をします。住んでいる都道府県だけに登録すれば全国で狩猟できる、という制度ではありません。
申請では、狩猟免許や所持許可に関する書類、損害賠償能力を証明する保険・共済などの書類、写真、手数料・狩猟税などを準備します。
東京都では郵送での申請が案内されており、都内在住者と都外在住者で手続きが一部異なります。
結論:銃を買う前に、保管場所と手続きの予定を整える
エアライフル猟を始める準備は、銃選びだけではありません。
まず警察署へ相談して初心者講習の日程を確認し、ガンロッカーを入手・設置する。そのうえで銃を決め、診断書などの必要書類をそろえて所持許可を申請します。
並行して狩猟免許の取得も進め、猟に出る前には狩猟者登録を行います。
許可が出た後も、銃の受け取りと警察署での確認が残っています。「許可後3か月以内」と「銃の受け取り後14日以内」を予定に入れ、射撃練習の時間まで確保しておきましょう。
※本文中の東京の手続きは代表例です。申込方法・必要書類・手数料などは、住所地の警察と、申請先の都道府県の最新案内を確認してください。