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エアライフルのチョークドバレルとは?

ペレット・スラッグへの影響と、銃口を絞る理由

エアライフルのチョークドバレルとは何かを初心者向けに解説します。ペレットでチョークが使われる理由、弾速への影響、スラッグではノンチョークが多い理由、チョークドでも精度が出る実例まで紹介します。

チョークドバレルとは?

エアライフルのバレルには、銃口付近の内径をわずかに細くした「チョークドバレル」があります。

4.5mmや5.5mmのペレット用エアライフルでは昔からよく見られる構造ですが、近年スラッグを撃つPCPが増えたことで、「チョークは何のためにあるのか?」「スラッグにはノンチョークの方がいいのか?」という疑問も出てきます。

先に結論を言えば、ペレットではチョークが有効に働くことがあり、スラッグでは基本的に必須ではありません。ただし、チョークドバレルだからスラッグが当たらないわけでもありません。

銃口の直前だけを、ほんの少し絞る

チョークドバレルは、バレル全体が細いわけではありません。銃口側の最後の部分だけ、内径をほんの少し絞っています。

Lothar Waltherの5.5mmエアガン用チョークドバレルでは、チョーク量として0.002インチ、約0.051mmが公開されています。4.5mmや6.35mmにも同程度のチョーク仕様があります。

0.05mmほどですから、目で見て分かるほど大きな絞りではありません。それでもペレットやスラッグは、最後にこの狭い部分を通ってから銃口を離れます。

Lothar Walther|5.5mm Choked Airgun Barrel

なぜペレットを最後に絞るのか?

ディアボロペレットは柔らかい鉛でできていて、特に後ろのスカートは薄く作られています。

発射すると空気圧でスカートが広がり、バレルへ密着して気密を取ります。Air Armsも、スカートが発射圧によって広がり、ライフリングへ密着する仕組みを説明しています。

つまりペレットは、硬い弾体がまったく変形せずにバレルを通っているわけではありません。

そこで銃口直前をわずかに絞り、ペレットの外径や変形状態を最後にもう一度揃えてから送り出す、というのがチョークの大きな役割です。

Air Arms|Best Pellets for .177 Air Rifle

ライフリングがなくてもチョークは存在する

ここが少し面白いところです。

Lothar Waltherのエアガン用バレルには、通常ライフリング、チョーク付きライフリング、ポリゴナル、チョーク付きポリゴナルだけでなく、スムースボア+チョークという仕様まであります。

つまりチョークは、「ライフリングを強く食い込ませる仕組み」だけではありません。

ライフリングとは別に、弾が銃口を出る直前の状態を整えるための設計要素として考えた方が分かりやすいでしょう。

Lothar Walther|Airgun Barrels

チョークがなければ精度が出ないわけではない

高精度バレルなら必ずチョーク付き、というわけでもありません。

Lothar Walther自身が、同じ口径でチョークあり・なしの両方を販売しています。

過去にはAirForceがLothar Waltherのチョークあり・なしを比較し、チョーク付きの採用を選んだという実例も紹介されています。ただし、これはすべてのエアライフルでチョークが必要という意味ではありません。

弾、出力、バレル径、ライフリング、ツイストなどとの組み合わせで結果は変わります。

Pyramyd AIR|Why choke a barrel?

チョークは弾速にも影響する?

チョークを通過するときには、弾へ追加の抵抗がかかります。

同じ14.6インチ長のバレルを使ったPyramyd AIRの比較では、チョークドLothar Waltherが522fps、Crosmanバレルが543fpsと、21fpsの差が出た例があります。

ただし、この比較ではLothar Walther側がブリーチ付近から全体的にもタイトで、装填時の抵抗も大きかったとされています。そのため、21fpsすべてがチョークの影響とは言えません。

それでも、チョークやタイトなボアによる抵抗が弾速へ影響することがある、という実例としては興味深いデータです。

38TUNESでチョークド/ノンチョークドのバレルを扱ってきた経験でも、同じような条件でチョークド側が十数fpsから20fpsほど低くなるケースを見ることがあります。

Pyramyd AIR|Crosman 2400KT CO2 Air Rifle Part 11

スラッグではなぜノンチョークが多い?

スラッグはディアボロペレットと違い、弾体がバレルへ広い面積で接触します。

ペレットのように薄いスカートを最後に整える必要性もそれほど高くありません。

そのためスラッグ専用バレルでは、ノンチョークまたは非常に弱いチョークがよく使われます。

AirForceのCondor Slug Barrelは、スラッグ専用としてノンチョークのLothar Waltherバレルを採用しています。Daystateもスラッグについて、ノンチョークまたは弱いチョークの高出力バレルを想定しています。

スラッグではノンチョークが好まれる、というのはかなり自然な流れです。

AirForce Airguns|Condor Slug Barrel Daystate|Rangemaster Juggernaut

でも「チョークではスラッグは当たらない」は違う

ここが重要です。

チョークドバレルでも、スラッグ径、重量、速度、ツイストなどが合えば十分に高い精度が出ます。

RAW MicroHunterの5.5mmはLothar Walther製バレルで、銃口側にチョークがあることが確認されています。その銃でH&Nの23gr、.218インチのスラッグを10発撃ったところ、25ydで0.449インチにまとまった実測例があります。

38TUNESで実際に撃ってきた中でも、5.5mmの23gr前後や4.5mmの16gr前後のスラッグが、チョークドバレルでよくまとまるケースはあります。

以前の実射では、AMA KATRAN-L .177のCZ製チョークドバレルでもエアスラッグを試しています。

ですからスラッグにとってチョークは、「悪い」のではなく「必ずしも必要ではない」と考えた方が実態に近いと思います。

Pyramyd AIR|RAW MicroHunter PCP Air Rifle Part Five エアライフルのバレルと精度

精度は出ても、弾速が少し散ることがある

もうひとつ実射していると気になるのが、ショットごとの弾速です。

38TUNESでチョークドバレルとスラッグを組み合わせてきた経験では、グルーピングは良いのに、弾速が5〜10fps程度ばらつくケースを見ることがあります。

スラッグの径や鉛の硬さ、寸法差によって、チョークを通るときの抵抗が少しずつ変われば、弾速にも影響が出る可能性があります。

ただし、「チョークドなら必ず5〜10fps散る」という一般則ではありません。現時点では、それを示す十分な公開データは確認できていないため、ここは38TUNESでの実射経験として捉えています。

スラッグの相性を見るなら、グルーピングだけでなく、弾速計でESやショットストリングを見るのも面白いところです。

エアライフルに弾速計は必要?

RTI Armsは、あえて「light choke」を使っている

さらに面白い例がRTI Armsです。

RTIの独自バレルRPBでは、5.5mmで1:16・light choke、6.35mmで1:20・light chokeという仕様を採用しています。

つまりRTIは、スラッグを使うから完全なノンチョーク、ではなく、ごく軽いチョークを意図的に残すという設計を選んでいます。

ここから分かるのは、チョークは「ある・ない」だけでは語れないということです。

どの程度絞るか、どのツイストと組み合わせるか、どの弾と速度域を想定しているか。そこまで含めてバレル設計になっています。

RTI Arms|P-3

0.05mmしか絞っていなくても、意味はある

Lothar Waltherの代表的な5.5mmチョークドバレルでは、チョーク量は約0.051mmです。

数字だけ見ると非常に小さな差ですが、ペレットやスラッグの径そのものが0.01mm単位で相性を変える世界では、0.05mmは無視できる寸法ではありません。

一方RTIはlight chokeという考え方を採っています。

こうして見ると、強く絞れば良い、ノンチョークなら良い、という話ではなく、弾をどの程度整え、どの程度抵抗を与えるかという設計の問題だと分かります。

チョークドバレルは必要なのか?

ディアボロペレットでは、最後に弾を一定の状態へ整える方法としてチョークには今でも合理性があります。

一方、高出力PCPやスラッグでは、チョークなしでも十分な精度を出せるため、絶対に必要なものではありません。

そしてスラッグではノンチョークが多いものの、軽いチョークを意図的に使うメーカーもあり、チョークドバレルでも条件が合えば高い精度は出ます。

チョーク付きだから上位、ノンチョークだからスラッグ専用、チョークだからスラッグには向かない、と単純には判断できません。

見るべきなのは、バレル径、ツイスト、チョーク量、弾の径・形状・重量、初速、出力まで含めた組み合わせです。

これはツイストレートと同じで、ひとつのスペックだけでは、そのバレルが当たるかどうかは決まりません。

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